こんにちは、ショコハジロです。
実家には、中学1年の頃から共に過ごしてきた、ミニチュアダックスフンドの老犬がいます。今月、12歳になりました。
一昨日、約一ヵ月ぶりに会いました。その姿は一ヵ月前と比べ物にならないほど弱々しく、頭蓋骨が浮き出るほどにやせ細り、そんな状態にもかかわらず久々に帰ってきた私を待ってたかのように尻尾を振り、出迎えてくれました。
12歳。老犬であり、病気。手術は不可能
愛犬が尻尾を振った姿を見ると、母は「あんた、まだ尻尾ふる力あるのね!」と言いました。いつもならワンワンと勢いよく吠えるのに、尻尾ふるだけで元気ないなと思いましたが、これでも愛犬の精一杯の出迎えだったようです。
愛犬は12歳。いわゆる、ミニチュアダックスフンドの平均寿命と言われる年齢に差し掛かっています。それでいて、会わないここ一ヵ月の間に、病気も発覚したそうです。しかし、母は「あなたは妊婦だからあまり縁起も良くないしストレス溜めるのもいけないから」と言い、詳しくは教えてくれませんでした。
病気が見つかったとはいえ、もう高齢で手術をする体力もないそうで、どうすることもできず死期を待つしかないのだそう。この夏乗り切れるかどうか、と動物病院の先生は言ったのだそう。
母は気を使って病名こそ言わないが、もうこの時点でかなり胸が苦しい。悲しさを抱えるのはあまりに酷な為、吐き出そうと今この文章を綴っている。
呼吸がくるしく、うとうと。てんかんも発症
病気の詳細は教えてくれないとはいえ、愛犬を見てれば酷い症状なのは一目瞭然だ。呼吸を苦しそうにし、苦しいが故寝る事さえ困難な時もある。首を長くして、一生懸命呼吸する。寝れないからなのか、常にうとうとしたような状態。
そして、てんかんの症状もあって、痙攣をおこしたりもする。それに伴い、失禁もする。見ていてすごく可哀想だ。かといって、てんかん症状の最中私たちにできることは何もない。
ご飯を食べる量もグッと減った。あんなに食欲の塊のような犬だったのに。人間の目を盗んでテーブルの上のおかずを盗み食いするような食べ物に意地汚い犬だったのに。ご飯の時間になるともう、嬉しくて嬉しくて、早くくれ!!と吠えまくるような犬だったのに。大好物だったヨーグルトやお刺身を差し出しても、フイッと首を避けられるようになってしまった。すごく、切ない。ほら、君の大好きだったヨーグルトだよ?盗んでまで食べてた、お刺身だよ?どうして食べないんだい?一体どうしてしまったんだい?以前の食に対する意地汚さを見せてさ、安心させてくれよ。
もういろいろと信じたくないことだらけだ。今の愛犬は、ほぼ経口補水液で生きているといっても過言ではない。
犬は病気の進行が、すごく早い。
犬は病気になってしまうと、進行がすごく早いらしい。
私が実家を離れる4月まではあんなに元気だったのだ。まだ食欲の塊の犬だったし、旦那が結婚の挨拶に来た時も「お前誰だ!!」と言わんばかりに吠えまくっていた。そのくせ旦那に撫でてもらえると満足したような顔をしたりと、心身ともに元気で健康そのものだったはずだ。それが、それから4ヵ月ほどしか経っていないのに、この状態。意味が分からないレベルだ。
「妊婦だからあまり会わないほうがいい」と母は言う
「あんたは妊婦だから、あまり愛犬には会わないほうがいいよ」と母は言う。死期が近く縁起が悪いだけでなく、病気を持っているからだ。
うつる病気かどうかも分からない。私がなんともなくても赤ちゃんに影響を及ぼすかどうかも分からない。だからあまり接触はさけたほうが無難だ、あなたには守る命が別にある。母はそう言う。
正論だ。私には守るべき命がある。それが最優先っていうのも、分かっている。でもさ、でも12年も一緒に生きてきた愛犬が、もうすぐ居なくなってしまうかもしれないんだろ?今会わなかったら、絶対一生後悔するじゃん。私が泣いてる時は側に来て涙を舐めてくれ、愛犬が悪いことをすれば睨み合い、寒い時は腕枕をして一緒に寝て、一緒においしいおやつを食べて・・・もう家族じゃん。家族が死ぬかもしれないんだよ。それなのに今会わないなんて、辛すぎる。良くないのは頭ではわかってるよ、でもさ、無理だよ、このまま私のしらないうちにもっと弱って死んでいくなんて、考えたくもない。会わなかったら、絶対に後悔するじゃん!!
今父と兄弟は、父の実家のある愛媛県に帰省中だ。そのため今は実家には愛犬と母のみ。せめてその期間だけでも、愛犬に会いにいきたい。だってこんなに弱ってるのに、皆いないなんて心細いだろう?実際、昨日も愛犬は心細いのか私の匂いを嗅ごうとがんばっていた。利かないであろう鼻をがんばってうごかして。くさいのか?特に足のにおいを嗅ぎたがる。一番人間の匂いを感じやすいのかもしれない。その姿も、すごく切ない。しかし、それでいて愛しい。
本当は、産まれてくる赤ちゃんを見せたかった
おそらく、叶わぬ夢になることであろう。しかし、愛犬にも産まれてくる赤ちゃんを見せたかった。家族だから。
私の遺伝子を半分引き継いだ子、愛犬はどんな反応をしてくれるだろうか?可愛がってくれるだろうか?そして産まれてくる子は、愛犬にどんな反応を示すだろうか?私が妊娠したての、愛犬がまだ元気な時はそんな事を考えていたが、どうやら叶わぬ夢となりそうだ。来年の1月まで、愛犬がもつかどうかと言うと、母はおそらく無理だろうと。
病気になっても、愛犬は愛犬。可愛い。
病気になってこんなやせ細って苦しそうにしていても、愛犬は愛犬だ。すごく可愛い。可愛いのだけは、今も昔も変わらない。まぁ愛犬とは永遠に可愛いものだ。
不謹慎な話だが、病気で呼吸が辛そうにしてる姿さえ可愛い。行きたい方向と間違えてしまう姿さえ可愛い。眠くてうとうとして崩れおちてしまう姿さえ可愛い。辛そうだな、と心配にはなるが、それでも全てが可愛い。可愛いのだ。
愛犬に会ったら、あまり心配そうな顔はしないようにしてる。きっと心配そうな顔をすれば犬も悲しいからだ。だって、私が泣いているとあんなに心配そうに鼻をならしながら慰めようと寄ってきてくれた犬だ。悲しくならないわけがない。
こんな病犬に心配させるなんて言語道断だろう。愛犬も家族が心配なまま人生を終わりたくないだろう。今からまた愛犬に会いにいこうと思う。そして、沢山、可愛いねって言ってあげようと思う。いつ旅立ってしまっても、後悔しないように。
追伸:二週間後の様子。
2018.9.1
愛犬は静かに息を引き取りました。今までありがとう。ゆっくり休んでね。